電気柵はエムテクノへご相談ください。

電気柵は獣害防除、または放牧等で広く使用されていますが、まず簡単にその仕組みを見てみましょう。電気柵は、100Vやバッテリーを電源とする電牧器が発生させるパルス電流を電牧線に流し、これに触れた動物にショックを与えて、田畑などへの侵入を防ぐものです。電圧は数1000Vにも達しますが、法律で定められた「電気柵」を使用する限り、危険なものではありません。

電気柵(電気さく)の効果

「電気柵は心理柵」と言われることがあります。これは、電気柵は物理的には動物が超えることができる物であっても一度電気ショックを経験した動物にとっては「近寄りたくない」という心理的バリアを生じさせて侵入を防ぐことに本質があることを意味するものです。心理柵のメリットは必ずしも物理的に侵入を許さない構造でなくてもよい、端的にいえば物理柵に比べ資材費を大幅に軽減できることにあります。ただその代償として、心理的効果を持続させるための保守管理が要求されるのです。
 また電気柵を使用するに当たり絶対に知っておいていただきたいのは、防除効果は100%とはいえない、ということです。心理的な効果は絶対的ではありませんし、物理的機能が弱いだけにハプニング的な侵入もあり得ます。また管理が悪く心理的効果を発揮できないことも考えられます。
 とは言え、正しく設置された適切な電気柵を適正に管理して使用すれば、そう簡単に動物の侵入を許すものではありません。物理的なフェンスよりもかなり安価な資材で、100パーセントに近い効果を上げることは十分に可能なのです。要はコストパフォーマンスの面で非常に優れた獣害対策と言えます。とすると、「正しく設置された適切な電気柵とは何か?」「適正な管理とは?」が問題になってきます。

適切な電気柵・正しい設置

①距離にあったものを使用すること。

それぞれの電牧器に対する適正な距離はメーカーの言うことを鵜呑みにできません。目立った漏電のない状態で少なくとも4000V以上の電圧が計測される必要があります。

②対象動物に合った設計であること。

左メニュー「実践編」でまとめた、それぞれの野生動物に対する指針と事例をご参照ください。

③地形に合った設置をすること。

動物に合った高さや段数で設計しても、地面の凹凸によって大きな顧問ができたり、電気柵の外側が高く、相対的に電気柵が低くなってしまっては動物に対して隙を見せることになります。地なりに高さを修正したり、部分的に柵の高さを増やすべき場合もあります。

④アースが十分なこと。

厳密にいえば接地抵抗を測るべきなのでしょうが、メーカーが電牧器毎に用意しているアースを、説明書に従って設置すればほとんど問題ないと思われます。3本打っべきところを1本にしたり、指定の打込み長さを無視して30cm程度打込んだだけだったり…・とアースを甘く見ている人は意外に多いようですが、アースは電気柵で大変重要な意味を持ちますので、しっかりと設置してください。

⑤しっかりと絶縁すること。

設置後の漏電管理が重要なのは当然ですが、システム自体に漏電の原因があるのでは論外です。

⑥適正な管理

適正な管理とは、簡単にいえば前項の①~⑤など適切な電気柵の正しい設置を維持することです。その中心はなんといっても漏電管理です。機械の能力によって漏電時の電圧の下がり方は大きく異なりますので、どの程度の草までは許されるかは一概に言えません。理想を言えば、定期的に電圧をチェックして、4000Vに近づいたら草刈りをすべきです。

電気柵の種類

■Aタイプ:固定型 (ex.猪ポール+猪ポール碍子/KD支柱+KD碍子)
電牧線(主にポリワイヤー)を杭毎に、碍子に固定していくタイプ。北海道を除くと、主流はこのタイプです。

◎メリット
ワイヤーの緊張は杭間ごとに碍子に固定することで行うので、角杭に過度な負担が掛ることもなく、直線上でもコーナーでも同じ種類の杭で済みます。⇒距離と段数から資材数を簡単に積算できます。万一1カ所ワイヤーが切断しても、漏電はその部分だけにとどまります。

×デメリット
ワイヤーを杭毎に碍子に固定するため強い緊張はかけられず、杭間隔は狭くなり、施工・撤収時の作業量が多くなります。ワイヤーが短距離で固定されていますので、動物の接触があった時の「遊び」が少ないため、ハプニング的な侵入の時にBタイプよりも破損、倒壊の可能性は高くなります。

■Bタイプ:柔軟型 (ex.グラスポール+Gクリップ+絶縁ポール など)
電牧線を端末間で緊張し、途中の杭では高さを保つだけ、というタイプ。グラスポールにワイヤーを固定しないクリップを使用するのが一般的です。(右写真参照)北海道以外では少数派でも、距離が長ければ断然お薦めはこちらです。

◎メリット
ワイヤーは碍子に巻きつける必要がなく、端末柱ごとにワイヤーを引っ張って緊張します。⇒ワイヤーにはテンションが掛っているので、杭間隔を長くすることができます。(鹿柵なら10m以上も可能) クリップの穴にワイヤーを通すわけではなく、あらかじめ杭の周りに準備したワイヤーを外側からクリップにはめ込むことができるので、施工・撤収は大変容易で、時間もかかりません。動物の衝突を端末間全体で受け止めますので、柔軟なグラスポールとも相まって容易に破損・倒壊しにくい構造といえます。

×デメリット
ワイヤーを強めに緊張しますので、端末やコーナTには力が掛り、中間杭よりも多少径の太い杭を用意しなければなりません。ワイヤーが切断すれば、全体が弛んでしまいます(但し修復も容易)。キタハラの典型例では中間をφ10㎜やφ14㎜のグラスポール、コーナー・端末は杯38㎜の絶縁ポールを使用しています。
⇒資材数の正確な積算には、コーナーの数やコーナー間の距離が必要になります。

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